赤嶺メモ(2)~言葉の世界と身体性~

 

今回のテーマ~言葉の世界と身体性~

皆さんスポーツは好きですか❓

僕はこれまで水泳、極真空手道、剛柔流空手道を習い、最近は野球やヨーロッパのサッカー(Jリーグはだめ)などのスポーツ観戦にはまっています。

その中でも特に野球は好きな友達が多いので、話のネタとしてよく見ています。

そんな野球ですが、皆さんは日本人のトップ野球選手であるダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手のYouTubeチャンネルをご存知でしょうか❓

ダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手は一流のメジャーリーグ投手でありながら、TwitterYouTubeにも積極的に取り組んでおり、僕は彼のYouTubeのコンテンツが好きでよく見ています。

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ダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手

そんなダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手が、「自分は投球の技術をすべて言葉で説明することができる」と言い、野球経験がない人向けに変化球の投げ方を教える動画を出しました。

youtu.be

僕はこの動画に感銘を受け、去年の夏休みに地元へ帰り、小学校時代からの友人と毎日公園で練習したのですが、結局ダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手のようなカットボールを投げることはできませんでした。

その経験から言葉の世界と身体性について考えたので、それをここで記しておこうと思います。

言葉の意味について

「言葉の意味は文脈の中で1つに定まる」ということを高校の現代文の授業で徹底的に教えられたのですが、日常生活ではそううまくいかないことは明らかでしょう。

哲学者のルートヴィヒ・ヨーゼフ・ヨーハン・ヴィトゲンシュタインが「言語ゲーム」として論じたのが代表的ですが、言葉の意味は伝達していくなかで変遷し、時代の流れなども加わることで変化していくのです。

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ヴィトゲンシュタインと「哲学探究



つまり何が言いたいかというと、言葉の意味や使い方は人によって違うということです。私たちは何かを話すとき、全ての単語を辞書で調べているわけではなく、なんとなく自分で解釈した意味で使うため、全ての人が同じ言葉を共有しているわけではないのです。

その結果として、いくら自分の言葉で伝えようとしても相手に正確には伝わらないということが起こります。おそらくダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手が表現したいことが僕には正確に伝わらなかったのだろうと思ったのです。

 

身体性を言葉で表すことについて

さて、ダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手が伝えようとしたカットボールの投げ方、それはつまり身体の動かし方です。どの部位をどのような順番で、どのくらいの筋肉の強度をもって動かすのか、そのような情報をここでは身体性という言葉で扱います。

ダルビッシュ・セファット・ファリード・有選手は上記の動画で、身体性を言葉を使って表そうとしたわけですが、僕は、「それには限界があり、正確に伝えることはできないよね」ということを身をもって実感しました。もしそれが可能なのであればみんなプロ野球選手のようになれるはずですが、そうはなっていないのです。

そもそも、人の身体は個人によって違い、他人の身体感覚を自分のこととして経験することはできないため、力の入れ具合や感覚を共通の物差しで測り伝えることはできません。その上で、これまた共通の意味を持たない言葉で自分の感覚を表し、他人に正確に伝えようとすることは困難なのです。

皆さんがスポーツをする中で「コツをつかむ」ということを経験したことがあると思います。指導者の方から言葉で教えてもらってもできなかったことが、練習を繰り返す中であるとき突然できるようになるという体験です。この体験こそが身体性をよく表しています。コツは自分で表現することが難しいし、それを他人に伝えるのも難しいのです。

では、身体性を伝えるにはどうすればよいのでしょうか。

僕は「よく観察する」ことが大切だと思います。身体の動かし方をよく見て、音を聞き、筋肉の硬直などを触ることで確かめ、自分で実践する。指導者は、生徒が練習する姿をよく見て、筋肉の動きや力の入れ具合を修正させる。こうした観察により、言葉では表現できなかった身体性を伝達することができるようになるのです。

 

言葉を身体性で理解することについて

ここまで、身体性を言葉で表現することの難しさを述べてきましたが、今度は言葉を身体性で理解することについて、僕が考えたことを述べようと思います。

先に述べたように、言葉の意味や使い方は人によって違うため、伝えたいことがうまく伝わらないことがよくあります。そんなときに身体性が役に立ちます。相手の言いたいことがよくわからないとき、相手の表情や仕草を観察することにより、感情や思想を読み取り、相手の考えを汲み取ることができるのです。僕はこの能力を空手道を通して身につけたと思います。この「言外の意味を身体性を通して読み取る」能力は、スポーツを通じて身につけることができると思うのです。その点において、スポーツや武道を習うことに意味があると思っています。

 

終わりに

さて、今回は言葉の世界と身体性について書いたのですが、皆さんはどうお考えでしょうか❓

スポーツは楽しいし、健康にも良いし、身体性を理解して役立てることにもつながるので、ぜひ自分の好きなスポーツを見つけて取り組んでみてください。

それではまた👋