ベーシックインカムの実現の仕方

※この文章は2016年に中学校の卒業レポートとして書いた文章です。

 1 はじめに

 「ベーシックインカム」という言葉を聞いたことがあるだろうか。ベーシックインカムとは、収入に関係なく、一定の額を毎月全国民に支給するという制度である。

 この制度が実現すれば、生活保護制度が無くなり、生活保護不正受給の問題が無くなるだろう。そして、職を失っても暮らしていけるという安心感があれば、様々なことに挑戦する人が増え、経済的に発展する可能性もある。

 僕がこのテーマに設定した理由は、現代社会の多くの問題を解決できるかもしれない「ベーシックインカム」という制度をどうしたら実現できるのか、知りたくなったからである。

 

2 テーマの研究方法

 インターネットを使用し、Googleで検索し、調べる。

 

3 研究結果

 ベーシックインカムを実現させようとする上での課題は、大きく3つある。

 1つ目は、「財源をどうするか」だ。ベーシックインカムを実現させるには、一か月に何十兆円というコストがかかる。この分の税金を確保するには、消費税や所得税の引き上げ、そして今ある社会保障制度、例えば医療保険制度などを無くし、その分をベーシックインカムの費用にあてなければならない。これは、病気のある人にとっては大きな負担となるであろう。しかし、保険が適用されなくなったら、健康でありたいと思う人が増え、生活習慣病の予防などに気を使う人が増えるかもしれないので、医療保険制度を無くすということは一概に悪いこととは言えない。

 ベーシックインカムを実現する上での課題の2つ目は、「働く人がいなくなること」である。生活できるだけのお金が毎月もらえることによって、働かなくても生活ができるようになるから、全く働かない人も出てくるだろう。しかし、それは悪いことばかりではないと思う。今の社会では、能力の低い人でも働かなくてはいけないが、そういう人々が働かなくてもよくなれば能力の高い人が効率的に働けるようになると思う。また、近年加速している作業の機械化により職を失った人も安心して暮らせるのではないだろうか。以上の理由から、働かない人が出てくることは問題ないということにする。

 3つ目の課題は、「今お金持ちの人が損をすること」である。ベーシックインカムとは簡単に言うと、「お金持ちから沢山のお金を集めて貧困層にあげて、みんなの生活を豊かにしよう」ということである。

 この問題は、経済格差をなくす上では避けては通れない道である。さらに、お金持ちの人は発言力が強いから厄介だ。この問題は、徐々に、少しずつ税金を高くしていくことで反発を抑えつつ解決していかなければならないだろう。

 現在、オランダ、カナダ、インドネシアなどではベーシックインカムを導入した場合に、人々はどのような生活をするのかという実験が行われている。今のところ、ベーシックインカムによってお金が得られても、働くことをやめた人はいないそうだ。これはとても興味深い結果だと思う。働くことで社会に貢献し、自身の存在感を実感したいということなのだろうか。

 

4 考察・感想

 ベーシックインカムは、メリットはあるがデメリットもあるということがわかった。

 だが、ベーシックインカムを導入することによって得られる効果は大きい。

 また、これまでの研究の結果からみると、ベーシックインカムを実現する上での課題は十分に解決可能なものである。

 ベーシックインカムは、今起きている様々な経済的な問題や不況などを解決するための大きな一歩になりうると思うので、僕としては将来、日本でも導入してほしいと思う。そして、今貧困で苦しんでいる人たちを救うことができれば、日本はもっと発展していき、人々は幸せに暮らしていけることだろう。

 

5 参考文献

省略

 

校長先生のコメント

働くことや、ボランティアなどで社会に貢献しているがいることで人はそれぞれ違った満足感と価値観を共有しているのですね。とても興味深く考えさせられるレポートでした。

 

本レポートを振り返って

このレポートは本も読まずにダラダラとゲームばかりしていた中学3年生の頃に書いたものなので、型にはまっていない新鮮な文章だと思いました。特に、「財源確保のために医療保険制度を無くなさなければならない」という流れにはびっくりで、かつて俺は新自由主義者だったんだなあと思いました。

今ではこの時のように「どうすれば日本がよくなるか」とか熱いことを考えるのもやめてしまったので、つまらなくなったなあと実感しました。

これからもがんばろう。